2008年MLB 実況後記

2008/6/6 BOSレッドソックス VS TBレイズ


3連戦ゲーム3@フェンウェイパーク
(解説 元マリナーズ番記者 大冨真一郎さん)

昨日勝って、10日ぶりに東地区首位に返り咲いたレッドソックスが、今日もレイズを7対1で勝利しシリーズスイープを決め、レイズとのゲーム差は1.5に広がった。

昨日からの伏線もあり、この試合は序盤から大荒れな試合内容であった。

昨日の試合で、岩村明憲に盗塁の際に殺人スライディングを浴びせたココ・クリスプに、レイズ先発のジェームズ・シールズが初打席の初球からいきなり報復のデッドボールを与えると、両軍の選手が飛び出す大乱闘となり、3人の選手が退場となった。

退場にはならなかったが、岩村選手も乱闘にすぐ参戦して、ココ・クリスプにボディブローを見舞っている瞬間をカメラはしっかりと捉えていた。

この岩村の行動を見て”言語道断”と思った日本人ファンもいたと思うが、私はそうは思わなかった。

アメリカではスポーツを“戦争”と捉えられている。

時と場合によって、チームの一員として認められるためには、少々荒いことも必要になってくるのだ。

岩村選手自身も、熱くなりながらも、自分をしっかりとコントロールしていた。

クリスプを右手で一発殴ったが、顔面には攻撃せずボディを的確に狙っていた。
昨日、あれだけ危険なプレーをされたのだから、黙って見ているほうが“戦う気がない選手”とチームメイトに思われていたかもしれないくらいだ。

それに、体を鍛えているスポーツ選手にボディブローを加えるなど、愛情表現のひとつに過ぎない。

本人の試合後のコメントは、“俺はあんなことは望んでいない。 早い回に起こってしまったことが残念だった。”
と反省していた様子だったが、私はむしろ誇りに思うべきと思っている。(もちろん、出場停止処分は甘んじて受けないといけないが。。)

そして、乱闘が起こったとき岩村より先にベンチから飛び出して加勢したのが、当事者二人以外で唯一退場処分となったチームの特攻隊長、ジョニー・ゴームズ選手。

この選手の“男気”にはいつも恐れ入る。
春のヤンキース戦でも、岩村がシェリー・ダンカンに激しいスライディングを受けて乱闘騒ぎになったとき、守備位置から真っ先に加勢して岩村を援護したのは、このゴームズであった。

チームメイトのために真っ先に飛び出していくゴームズの“戦う姿勢”は、チームにいい影響力を与えている。 
ベンチプレーヤーであってもいまや、レイズには不可欠な存在だと思っている。

この特攻隊長がいるかぎり、レイズはヤンキースとレッドソックスと互角に十分渡り合っていける!

ゴームズは、そんな気持ちにさせてくれるプレーヤーだ。