2007年MLB 実況後記

2007/10/9 NYヤンキース VS CLEインディアンス


ア・リーグ・ディビジョンシリーズ ベストオブファイブ・ゲーム4
(解説 ベースボールコントリビューター 上田龍さん)

インディアンズ(3勝) 6-4 ヤンキース(1勝)インディアンズの98年以来となるチャンピオンシリーズ進出決定と、ヤンキースの3年連続地区シリーズ敗退が決まった。

この日も好調なインディアンズ打線。
サイズモアのリードオフホームランなどで先発の王建民をいきなり捕まえ、2回表にはノーアウト満塁のチャンスを作り、王をあっさりとノックアウトした。
結局、王は1イニング、5安打、4失点という散々な内容で、レギュラーシーズン2年連続19勝の力を発揮できないまま今プレーオフ2敗目を喫し、ヤンキースと共に散った。

一方、クリーブランドの重要なマウンドを任された先発ポール・バードは、ウェッジ監督の期待に応える5回1/3イニング、8安打、2四球、2失点でしっかりと責任を果たし、99年以来(フィリーズ時代)となるヤンキース戦での勝利投手となり、ポストシーズンでのキャリア2勝目をあげた。

インディアンズは、2001年の地区優勝を最後にプレーオフから遠ざかっていたが、その間にマイナー選手育成システムをしっかり強化し、時間と手間をかけて選手を育ててきたことが今年大きな実を結んだ。
25人のロスター選手のうち、、合計9人(うちルーキー5人)がマイナー組織上がりというファミリー色がとても強いこのチームは、数字上の強さはもちろんだが、見えないチーム力(ケミストリー)も持ち合わせている。

今日の中継で、このチームを中心になって作り上げたマーク・シャピーロGMが、この重要な試合をスタンドで妻と娘と一緒に仲良く観戦している姿が映し出されていた。 
球団の現場責任者であるゼネラルマネージャーが、プレーオフという緊迫した場面で率先して野球の試合を家族で楽しんでいる姿に、僕は衝撃を覚えた。
そのシーンをみるだけで、球団がもっているカラーと選手育成ポリシーのようなものが垣間見えた気がした。

そして、残念なことだが、ヤンキースのトーレ監督にとって、これがピンストライプでのラストゲームになることが濃厚となった。(正式にはまだ発表されていない)

試合後の会見で、トーリ監督は監督を務めた12年間を一言で振り返った。
“12年がまるで10分くらいだったような気分だ”

ヤンキースのひとつの時代が、この日終わりを告げた。