2005年MLB 実況後記

2005/05/15 STLカージナルス VS NYメッツ


メッツの松井稼頭央がヒーローになり損ねてしまった。

同い年のコメンテーター、小島克典さん(元新庄選手の通訳)も楽しみにしていたエース対決。
ペドロ・マルチネス(メッツ)とマーク・マルダー(カージナルス)のマッチアップとなった。

3点ビハインドの6回裏、ノーアウト満塁のチャンス。
昨日のゲームで、終盤に守備で2つのエラーを犯してしまい、好投を続けていたトム・グラビンの足を引っ張っぱり、今日は2打席、ノーヒット。
右バッターボックスに入った松井稼頭央は、見ているこちらがテレビのボリュームを下げたくなってしまうような地元ニューヨークのファンの容赦ない大ブーイングにさらされた。

そんなプレッシャーの中、松井稼頭央は動じることなく、現役最高勝率を誇る左腕マルダーからライト線に痛烈なライナーを放ち、これが走者一掃のタイムリースリーベースとなって、メッツは同点に追いつき、マルダーをマウンドから引きずりおろした。

続く、代打ビクター・ディアスの連続タイムリーで松井は逆転のホームを踏みいつしか松井に対するブーイングは大声援に代わっていた。
素直なニューヨークのファンのリアクションであった。

このまま試合が終わっていれば、明日のニューヨークの朝刊の見出しは間違いなく松井稼頭央になっていた。

だが、相手は昨年のナショナルリーグチャンピオンのカージナルス。
簡単にあきらめてくれなかった。。。
8回表、メッツ2番手のヒース・ベル投手があっさり逆転を許すと、最後は故障者リストから戻ってきたばかりのクローザー、イズリンハウゼンがしめて7対6でカージナルスが勝利した。

メッツ2年目の松井稼頭央選手だが、まるで新チームのようなクラブハウスの雰囲気に春先はすこし浮いているように見えた。
今年のメッツは監督もGMも新しく入れ替わり、チームの雰囲気は去年と比べてがらりと変わった。 おまけに、今季から松井選手は慣れないセカンドも守っている。
ニューヨークのメディアもファンも猶予期間など与えず、すぐに松井に結果を求めてくる。
松井選手は、われわれの想像以上にメジャー2年目のアジャスト(対応)を求められている。

今日のゲームでは、松井選手は7回にショートのレイエスとの見事な643のダブルプレーも決め、昨日の汚名を返上した。 

異国の地でのブーイングにも負けずに戦い続ける、日本人、松井稼頭央。
試合にまけて、ヒーローにはなり損ねたが何か明るい光が見えてきたような一日であった。